つきもと控帖

オリックス・バファローズとか旅行とか

I don't know a lot about you yet.

 

櫻坂46 2nd TOUR2022 ”As you know?”

 

櫻坂46としての2回目の全国ツアー。大阪と東京の計4公演に参加したので、ブログで振り返っていきたいと思う。

「色褪せるのも思い出のうち」なんて発言は、どうしても残したい出来事が今まで一度もなかった自分に対する言い訳でしかなかったんだと気づいた。

確かにこうして今の思いを言語化してしまうと、上手く言語化できなかった部分が記憶から欠落してしまうような気もするけど。でも少しでもこの感動を、書き留めて残しておきたい。

 

最初に断っておきたい、というか自慢しておきたいのだが、今回のツアーは座席運に相当恵まれていた。大阪公演2日目に至っては花道最前列だった(ちなみにチケットを流した仙台公演もA3ブロック。しかも12の倍数なのでこちらも花道最前だった可能性すらある)。なのでメンバーとの距離は言わずもがな、ライブ会場の音圧すべてを全身で受け止めてきたので、これから述べる感想には座席による補正が入っているということは承知の上でお読みいただきたい。

 

  9/29(木)大阪1日目 A3ブロック(ステージから4列目)

  9/30(金)大阪2日目 B4ブロック(花道前最前)

11/  8(火)東京1日目 A4ブロック(ステージから13列目)

11/  9(水)東京2日目 A11ブロック(ステージから6列目)

 

セットリストを振り返って

 

まずはライブのセトリを順々に振り返っていきたいと思う。櫻坂のことを知らない人は、このブログは読まなくてもいいから一度耳にして欲しい。

 

 

Overture~ダンストラック

まず今回のライブは、Overtureから最初のMCまでペンライト点灯が規制されていた。そこまでこだわった光の演出とやらはどんなものかと期待していたのだが、想像を遥かに超えてとても、とてもいいものだった。ステージを縦に横に光の線が走り、会場後方からもレーザーが飛ぶ、あれ嫌いなオタクは居ないと思う。

ダンストラック中に櫻坂四天王ことほのるんてんかりんが爆イケの表情で花道後方から登場。まさに四天王!という出で立ちは他の誰をも寄せ付けない。

そしてダンストラックが終わり"Let the show begin"のコールで始まったのが、

条件反射で泣けてくる

初っ端にこれを持ってくるか!!!今回の1stアルバムに収録されたナスカ作曲の神曲。櫻イチの神曲。イントロで鳥肌立ちまくり。今回のツアーで一番見たかった曲を初っ端で見せつけられたときの衝撃ったらありゃしない。いきなりセトリのクライマックスである。

この曲、ナスカ作曲ということもあり曲調はカッコイイ系なのだが、ダンスの振りは対象的に可愛いもたくさん溢れている。例えば「変わったような変わってないよな」で指をツンツンしまくったり、「ピーコックで買い物して浪花屋でたい焼き食べて同じコース辿っちゃうなんて切ないね」では指ツンツンからのたい焼きパクパクからの指クルクルしたり。茉里乃ちゃんかわええ。この曲に茉里乃ちゃんがいることが何よりも幸せ、推し冥利に尽きる。

そしてエリーゼのためにから始まる間奏で天ちゃんがピアノを弾きながら花道を爆走するわけだが、ピアノを弾くシーンはもちろんのことラスサビに間に合うように帰ってくる時の天ちゃんが爆イケ。マジでイケメン。センター分けで髪の毛をほんの少し巻いてる天ちゃんのかっこよさは誰も勝てまい。

BAN

え、2曲目で?ペンラ禁止縛りの間にこの曲を入れるの?って感じ。もはや曲については何も言う事はないが、東京公演では可動式のセンターステージが客席の真上(真横ではない、真上)に被さっていったのにはかなり驚いた。自分の直上1mにアイドルがいるというのはそう体験できまい。羨ましい(?)

Dead end

こちらもコールで盛り上がる曲なのにペンラ禁止縛りである。オタクお預けくらいまくり。あ、茉里乃ちゃんがいる。きらまりは尊いので、全曲一緒に居て欲しい。

ラスサビで花道からメインステージにダッシュするパートがあるが、東京1日目で誰かがコケていた。私は髪の長さと色的にちゅけだと推測したが、どうやらオタクの間では議論が分かれるところらしい。

そしてどうやらこのDead end、大阪だけ演出が違ったらしい。確かに東京では信号機に従って花道を行進する演出だったが、大阪だけは椅子に座るるんちゃんに他のメンバーが謁見する演出だった。その時こちらにお尻を向けて思い切り一礼したので、オタクが突然の出来事に衝撃を受けてザワッとしたのが面白かった。みなさん純粋ですね。私もありがたく拝んでおきました。

その後ダンスパートで光の扉が浮かび上がり、6回ノックしたところで

断絶

ひたすらかっこよいし、間奏が大好き。永遠に聞いてられる。四天王とぽんみいという一期生に加え、れなぁがこのユニットに入ってるのも嬉しい。正直、断絶を裏で牛耳ってるのはれなぁと言っても過言ではない。

流れ弾

いやいやいやいや、いくらなんでも初っ端から飛ばしすぎやろ。正直ライブ最終盤と言われても不思議ではない。初めてこのセトリで聞いた時、「このライブこの後どうやって盛り上げんの?尻すぼみにならないか?」と不安になった。結果的にそんな心配は全く必要なかったわけだし、終盤までとんでもなく爆発的なライブだったわけだが。

「だってやらなかったら」「きっとmy turn」のみいちゃんと夏鈴ちゃんが今までで一番気持ちこもってた。

MC

ここでようやくMCである。そう、大阪公演ではここでメンバーのトーク企画があって、トークテーマとメンバーはくじで決められたのだが、そのトップバッターがまさかまさかの茉里乃ちゃん。「初出しネタ」という定番ながら難しいテーマに対し、茉里乃ちゃんは「最近きらまりで断絶を踊っている」といい、なんときらまりで!断絶を!ステージで!踊ってくれたんですよ!!!!!!!!私はあの会場の中で茉里乃の断絶を最前で見た茉里乃推しです!!!!!!あー最高、バクスラで断絶踊ってくれねーかな茉里乃。きらまり尊い。断絶の0列目はきらまりでいいと思う。この世界にはきらまりしかない。

 

さて、ここからはアルバムの収録曲が3曲披露された。タイムマシーンでYeah!の1期生は個人衣装が個性全開でとても可愛らしかったし、One-way stairsはるんかりん優勝してたし。ずっと春だったらなあはペンラピンクが曲に合うとは思うけど、せっかくのユニットなんだからメンバーカラーにしてあげたい気持ちもある。

 

制服の人魚

LEDの水槽に見立てた花道トロッコでの演出。大阪2日目では自分の目の前でトロッコが止まり4人が踊っていた。あの解像度でアイドルを見ると自分で何考えてるかわからなくなるほど頭が真っ白になる。えぐい。るんちゃんはお顔かわいいし、ちゅけはベイビーだし。天ちゃんには手を振ってもらって無事死亡。そしてれなぁ。あの美貌をあの距離で見てみろよ、飛ぶぞ?あんな美少女がこの世に存在してもいいものだろうか。

というかこの黒衣装、何とは言わないが素晴らしい。

五月雨よ

今回のツアーでパフォーマンスを見て、改めていい曲だなと感じた。二人セゾンと同様に爽やかさを含むメロディーで聞いてて心地良いのはもちろんのこと。曲のテンポにとてもノリやすく、ペンラ振ってて楽しい曲だと今回のツアーで気づく事ができた。曲だけ聞くと「長くね?」と思いがちな間奏のWowWow...は、多分オタクとコールアンドレスポンスできるように設計されてる。声出し解禁されたら絶対にこの部分のコールは気持ちいい。

 

このあとのなぜ 恋をして来なかったんだろう?はドームの空に夏鈴ちゃんが舞い、大きな歓声が起きた。Nobody's faultはもう安定で完全に板についたパフォーマンス。大阪ではるんちゃんのノバフォを目の前で見られたのは一生の思い出である。衣装の中ちょっと見えなんでもない。I'm inはひたすらにダンスが可愛い。バックスメンをもっと売り出せ、彼女たちだって魅力しか無いんやぞ。Buddiesではゆっかーが7年間の感謝の言葉を述べしめくくった。茉里乃ちゃんも確かいたはず。

 

ダンストラック

これがめちゃくちゃいい!!!!!過去の楽曲(Nobody's fault、なぜ恋、BAN、流れ弾、Dead end、ずっと春だったらなあ、断絶)をRemixしたトラックで超かっこいい。こういうの大好きなんですよ、というかTL見てても評判バチバチにいいのでオタクみんな好きだと思う。レア感が失われないよう、アニラとか1年おきくらいで定期的にやってほしい。

車間距離

花道上のレーザーの演出が好き。あと「自信過剰な生き方は何を根拠にしてるの?」の綺良ちゃんが無表情でカメラに抜かれてるの、めっちゃ可愛くて好き。その直後に「アクセル踏みこむことでマウントを取ったつもり?」の茉里乃ちゃんかわいい。つまりきらまりなんですよ。きらまりしか勝たん。

恋が絶滅する日

櫻で2番目に好きな曲。これも今回のツアーで絶対に見たかった。黒衣装に包まれ爆イケの櫻ちゃんたちがこのかっこいい曲を笑顔で踊るのを見るのが幸せ。Wowwow...の部分で体を前後に振りながら手をぐるぐる回すの好きですね。「始まることより終わらないことだ」耳が痛い。あと間奏永遠に聞いてられる。デッデンデデデッデンデデデッデンデデン!デン!

摩擦係数

白色光の演出いいですね。9つの四角照明が天井からステージを照らしていたの、MVっぽくて好きな演出でした。ラスサビ前の「ま!さ!つ!そう~」あたりのリズムが大好き。曲終わりに爆音で花火が上がるのも痺れた。もはや曲終わりに火薬がないと物足りないまである。推しがこの曲に居ないのは残念だが、それ抜きにしても櫻坂46、いや、既存のアイドルの概念を打ち砕く新たな可能性を開いてくれた曲だと思う。

 

 

 

 

そして、東京公演でのアンコール。櫻坂46として作り上げてきたライブとの決別、[fusion]への迎合。もちろん、大阪公演での思ったよりも寂しくない美しきNervousもよかった。でも、

 

 

 

 

欅坂46は、永遠に。

欅坂46 Overture

死ぬまでに一度は全身で浴びたい。その祈りがようやく届いた。ケヤフェスでも封印されてきたのは、まさしくこの日のためだった。会場が暗転し、サーッというかすかなイントロが前奏が全身の血を沸き上がらせた。驚嘆と悲鳴が交じった大歓声の中、私は椅子を蹴らんばかりに立ち上がり、必死に、我武者羅に緑色のペンライトを振った。一面の緑が揺れる東京ドームなんて憧れそのもので、そしてもう二度と見られないと思っていた、その光景が今目の前にある。でも、それだけでは収まらなかった。

不協和音

予定調和?まさか。確かに予想はしていた。予感もしていた。確信すらしていた。でもあの日、それがやってくるという実感は最後まで持てなかった。

Overtureが終わった瞬間、周りが一瞬だけザワっとした。心の何処かで、何度も映像で見て脳裏に焼き付いて離れないあの光景を思い出してハッとした。そして1秒経たずと始まったイントロに、ドームの全てが沸いた。

呆気にとられ、そして現実を理解した瞬間涙が溢れた。赤のペンライトを持ちながら、足はガクガクと震え、何度も何度も泣き崩れそうになった。でもこのすべてを自分の目で解釈しないといけない気がして、必死にステージ上から目をそらさないようにした。

全てを知ってあの頃を思い出して踊る一期生。声を震わせながらも若々しい声で歌う二期生。忌々しくすら見える衣装に身を包む新二期生。葵の意思を継いで弓を放つ増本綺良。そして菅井友香の全身全霊の叫びを、爆音と共に身体に刻みこんだ。

曲が終わって、会場は拍手で2度沸いた。1度目は不協和音のパフォーマンスに。そして2度目は多分、今ここで立ち上がって、この呪縛を逃れて欲しいと強く思って。

砂塵

そして、ゆっかー最後のパフォーマンス。宙に舞うゆっかーの笑顔は本当に幸せそうで、晴れ晴れとしていて。不協和音の衣装を着て笑顔でパフォーマンスしたこのときにこそメンバーは、不協和音、いや欅というとてつもなく思い苦しみから一切を解放されたに違いない。そして多分、ゆっかーはそれを思ってセトリに組み込んだはずだ。それが欅坂46、櫻坂46を率いてきたキャプテンの、最後の大仕事だった。

 

 

1日目の欅パートでは4曲が披露された。10月のプールに飛び込んだ世界には愛しかないヒールの高さ青空が違う。青空が違うのコールに参加できたことも嬉しかったけど、なによりゆっかーの歌の上手さに驚嘆した。いつまででも聞いていたい歌声だったし、これがもう二度と聞けないんだと思うと寂しくもあった。

 

欅坂46と櫻坂46と

 

ゆっかーはスピーチでこう述べた。

大好きな欅坂46も、大好きな櫻坂46も、それぞれにしかない楽曲、グループ、メンバーの魅力がたくさんあります。どっちがいい悪いとかではなく、それぞれを尊重しながら、魅力を受け入れて、どっちも愛していただけたらうれしいなと思っています。

昔の自分たちを超えることは、今の彼女たちにとって絶対に不可能なことだ。これはメンバーがどうとか運営がどうとかファンがどうとかという問題ではなく、なにをどうあがいても欅坂46は誰にも到達不能なところにいる。

だが、欅坂46を超えるとかそんな議論は無意味でしかない。欅坂46の魅力とはその不安定さだったはずだ。その不安定さは、今の安定しきった櫻坂46にはない。この2つを比べることなど何の意味もない。欅坂46も櫻坂46も両方好き、でいい。

 

このライブで欅からの3年間の成長を一番感じたのは、不協和音の2サビ「意思を貫け!ここで主張曲げたら生きてる価値ない」のパート。ここは上村・森田・松田を先頭にメンバーが3列縦隊になって胸を張るダンスだが、3年前の映像と見比べるとまるでダンスが別人のものだった。このダンスの上達こそ、櫻坂46としての2年間の積み重ねに違いない。"曲に踊らされていた"不協和音のパフォーマンスを自分たちのものにできた、何よりの証拠だろう。

 

自分の中で神話化していた欅坂46。その楽曲パフォーマンスを目の前で見たことで未練が消え、欅坂46、櫻坂46に対する向き合い方はだいぶ軽くなった気がする。2019年に欅坂46にハマらなかった自分の後悔、ライブに行けなかった後悔がようやく晴れた。これで過去の欅坂46のライブ映像も、きっと心置きなく楽しめるようになったと思う。

 

結び

I don't know a lot about you yet.(私はまだ、貴方のことを殆ど知らない。)

大阪公演1日目にこの演出を見た時、いやいやそんなことはない、もちろん全部は知らないけど、それでも私は櫻坂46のよき理解者であるはずだと思った。

でも1日目を終えたあと、私はその考えを恥じることになった、去年から更にパワーアップしたパフォーマンスに考え抜かれたセトリ。鋭くも美しい光の演出。あまりに完成されすぎたその姿に、私が全く知り得なかったその姿に、ただただ恐れ慄いた。

そしてドームでの不協和音を通じて、ようやく少しだけ櫻坂46を理解できた気がした。

 

櫻坂46、その第1章ともいうべきここ2年間のグループは、東京ドームを以て完全に瓦解したと思う。偉大なキャプテンという支柱を失い、大目標だったはずの東京ドームに結成からたった2年で立つことができ、さらには今後3期生が10人単位で加入する。これから始まる櫻坂46第2章は、第1章とは全く違う様相を呈するだろう。私はそれがとても怖い。2年間愛し続けたこのグループが消えてしまう、いや消えてしまったことが、もう二度と見られないことが、どうしようもなく恐ろしい。

でも、一度推し活なんてやめようとした私をもう一度引き込んでくれたくらいには、櫻坂46は魅力あるチームだ。だから多分しばらくは恐る恐るだけれども、応援しようと思う。

 

 

 

 

P. S.

 

一つ追記するならば、推しが多くの曲に居ないのが心底寂しい。櫻坂46の曲はいい曲ばかりだ。しかし推しは表題曲はおろか、C/W曲やユニット曲にすらほぼ登場しない。それがすごく辛いし寂しいし、そして今後3期生が入ってくるとますますその道は険しくなるだろう。ようやく前に出てくれるようになった推し、もうひと踏ん張りだから頑張れ。

 

そして欲を言えば、東京ドーム公演は1日目は櫻坂46として、2日目を櫻×欅の[fusion]としてやってほしかった。櫻には櫻のライブとしての完成度は間違いなくあったから、ドームでも最後まで櫻のままやり遂げてほしかった。そして、欅Overtureの衝撃と不協和音の衝撃を、両方一度に体感したかった。なんなら[fusion]の予告編すら必要なかったと思う。これは本当に単なるわがままだけれども。