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クロノグラフ彗星【ドラマ「星になりたかった君と」 感想と考察】

ドラマ「星になりたかった君と」 感想と考察 ※書きかけ

 

久しぶりのブログ更新は、先月放送されたドラマ「星になりたかった君と」の感想と考察です。このドラマを見ようと思ったきっかけ、それは渡邉美穂がヒロインとして出演していたからに他ならないんですが、しかしパラレルワールドというSF要素が入っているということでも楽しみにしていた作品でした。いざ見終えると内容も少し難解でとっつきにくく、考察し甲斐がありそうなのでこのブログにまとめる次第です。

正直、考えたことを書き連ねただけなので読みにくいですし、そもそも忙しくて書きかけですが、最後までお読みいただければ幸いです。

 

ドラマ「星になりたかった君と」をまだ見ていないという方は、地上波版、Hulu版(アナザーストリー)ともにHuluから見ることができます。物語の予習には公式HPも必須です。

さて、このドラマのメインテーマは「パラレルワールド(並行世界)」です。もし仮にパラレルワールドが存在すれば、そこでどんなドラマが生まれるのか?というのが主題ですが・・・?

 

考察 🖊️

ーーーーーー以下ネタバレ含むーーーーーーーー

結末のシーン

一旦、物語の結末がどうなったか、最後のシーンがどう描写されたか整理してみたいと思います。

地上波版

那沙は心臓病を患うものの、手術が成功し完治したパラレルワールド

秀星の見た目は変わっておらず、秀星と那沙は知り合いのまま。

ラストシーンで、二人が「聞きたいことがたくさんある」と言うのは伏線(前半ラストシーン、踏切での別れの直前)の回収だと考えられます。

Hulu版

那沙が心臓病を患うことなく、チア部として元気に生活していたパラレルワールド

しかし秀星の見た目はまるっきり変わっており、金髪に白い服はまるでナユタのよう・・・?

この世界線では秀星と那沙は知り合いではなく(というより前世界のことを忘れている?)、姉の紹介で知り合います。しかしラストシーンで、那沙は「私達、どこかで・・・?」と秀星に聞きます。対する秀星は那沙のことを覚えていない様子でしたが、確かな手応えを感じる那沙・・・という所で物語は終わります。

 

最初は「ドラマの最終場面は、単にパラレルワールドの1つを描写したものに過ぎない、元の世界とは完全に独立している」とか考えていましたが、ここは深く考えないほうが良さそうです。素直に、秀星が行ったパラレルワールドを描写していると考えたほうが良さそう。ただそうなると、その世界に元からいた秀星とクロノグラフ彗星によりやってきた秀星はどう干渉し合うのか?といった問題が出てくるのですが、そこは一旦無視しておきましょう。 

 

ナユタは誰?

最後まで具体的に正体が明かされることがなかった謎の青年、ナユタ。クロノグラフ彗星の擬人化か?それとも行き来する少年なのか?

これは作中にヒントがありました。祖父がパラレルワールドについて書いた小説のチャプター4。「パラレルワールドを行き来した青年」視点の小説のようです。つまり、祖父の小説の内容を現実に持ち込むなら、パラレルワールドを行き来する青年、ということになります。実はこの小説も、実際の体験を元に書かれたものだと推測できます。祖父は「ナユタが戻ってくる・・・」という発言を途中でしており、祖父とナユタは一度会ったことがあることを仄めかしています。

ナユタ=秀星説

ナユタ=長い並行世界の旅から帰ってきた秀星、という仮説を立ててみます。

秀星は那沙が死なない世界を探し求め、パラレルワールドを何度も行き来する。そしてパラレルワールドの行き来により容姿が変わってナユタとなった後、最終的には那沙が死ぬ世界も受け入れようと決めるのです。そしてナユタは秀星の代わりに、那沙の最期を見届ける。そして秀星は、ナユタと入れ替わる形でパラレルワールドへと旅立つ。この仮説が正しいとすると、那沙の死に際にナユタが居た理由が説明できませんか?

こうなると、Hulu版で秀星が金髪になっていたのは、並行世界を旅し続けたから。と考えられるのかもしれません。

(時間の流れはパラレルワールド間で一定でないことも分かります)

 

那沙もパラレルワールドを行き来していたのか?

実は那沙も並行世界を行き来した側の人間なのか?と思わせるような描写が時々現れます。

地上波版

視聴者の誰もが「誰これ!?」と驚いたであろうナユタの登場。しかし那沙は、ナユタ急に現れても驚きませんでした。「可能性に賭けている」という発言も作中でしています。そしておそらく有名でもなく、実在すら怪しまれているクロノグラフ彗星のことも知っている。那沙はダークマター=秀星と気づいているのに、秀星はビッグバン=那沙だと気づいてない。また最後「色々聞きたいことがあるんだ」は並行世界のトラベルに成功したんだね、その話聞きたいんだという趣旨の発言だ、とも捉えられます。

Hulu版

冒頭、プラネタリウムで、秀星の近くにわざと座るような描写。ナユタが那沙の前に現れたとき、ナユタの「初めて会ったわけじゃないのに」という発言。前編の最後で、「別の世界は今の私じゃないかもよ」との発言。

そして最終シーンでは、那沙は秀星に対し「どこかでお会いしたことが?」と聞きます。これはパラレルワールドの移動で那沙の記憶が欠落し、その一部だけが残った形・・・と考えられなくもないですね。

 

那沙の心臓病は、クロノグラフ彗星によるもの?

これはただの妄想でしか無いです。

物語中では「小さい頃に発作を起こして重い心臓病を患うようになった」とだけしか描かれていない、那沙の心臓病。例えば、小さい頃星を見てる最中、クロノグラフ彗星を偶然見て心臓発作を起こした、と考えてみます。とすると、「星になる」ことへの執着心は、この経験があったからこそなのかもしれません。

そもそも、小さい頃クロノグラフ彗星を見て心臓発作を起こしたとすれば、そのときにそのまま死んでしまったパラレルワールドも存在するのではないでしょうか?そして死ぬ間際、ナユタに1度目の出会いをして救ってもらったとしたら。(=那沙1度目のパラレルワールド移動)

だとすれば序盤の秀星に対する「クロノグラフ彗星、あると思う」という発言が多少矛盾するんですが、幼い頃で記憶が曖昧だと考えれば筋は通らなくもない・・・でしょうか。

 

感想

この作品は地上波版とHulu版でそれぞれ異なる結末を描いたわけですが、私が好きなのは地上波版ですプラネタリウムで初めて会い、病院で再会するという経緯から仲を深めた二人の物語がみたい。でもべみほ本人を含め、Twitterを見ていてもどうやらHulu版の方が人気そうですね。

これは放送前から感じていたことですが、ドラマ全体を通して尺が全く足りなかったですね。SF、特にパラレルワールドのような複雑な背景を描くとなると、当然1時間枠で収まるはずがないんです。2時間ドラマや1時間ドラマ×2夜連続など、丁寧に描写するならせめて倍の時間は欲しかったです。

とはいえ、要点はきちんと視聴者に伝わるようになっていたのは、さすが脚本家だなと思いました。むしろ、物語の「承転」の本当に必要な部分だけを見せることで上手く纏めたのかもしれません。

みほちーの演技は滅茶苦茶よかったです、多少の贔屓目もあるでしょうが。本人も演技の仕事を熱望していますし、またRe:MindやDASADAなどで見せた力演ぷりをそのまま見せつけてくれました。ヒロインという初めての大仕事で、出すことが出来なかった色も勿論あったかとは思います。しかし、日向坂の中ではトップレベルの演技派であることは間違いないですし、これからドラマなどで見る場面が増えると嬉しいですね。かわいいので。

 

さいごに

ここまでグダグダと書き連ねてきたドラマ「星になりたかった君と」の感想と考察。実は原案の小説があります。といってもあくまで原案。ドラマと小説はそれこそパラレルワールド、全く違う物語といっても間違いではないので、一粒で二度美味しいですね。

小説と比較したドラマ版の立ち位置は、原案者である遊歩新夢さんのこの発言に集約されると思います。ネット書店ではなかなか手に入りにくいみたいですが、気になる人は是非手に取って見てください。ちなみに私はまだ読めてないです。

ドラマ出演が発表されたときのみほちーのブログ。

ドラマ放送直後。